レジスタンス・トレーニングのバイオメカニクスの基本

ここではウエイト・トレーニングのバイオメカニクスを理解するにあたって基本中の基本となる「てこ」について説明します。物理を学んだ人にとっては「屁」のような話なので飛ばしてください。(因に、私は物理を選択していなかったので独学です。なので間違っていたら指摘してください)

これを理解しないと、これから続く話は理解できない可能性があります。



Fa : てこに与えられた力(筋力)
Fr : 抗力
Maf : 与えられた力(筋力)のモーメントアーム
Mrf
: 抗力のモーメントアーム
  

支点 てこの中心
モーメントアーム
(=レバーアーム)
支点から力の作用点に降ろした垂線の距離
抗力 筋収縮に対抗して外部から加えられる力
トルク
(=モーメント)
支点を中心として物体を回転させようとする力の大きさ。
「モーメントアーム×力の大きさ」

 
いきなり訳の分からない言葉が並んでいて、やる気をなくすような展開ですが、大して難しい話ではないです。
要するに「シーソー」と同じですね。

[抗力×抗力のモーメントアーム]=[筋力×筋力のモーメントアーム]

  Fr      Mrf      Fa      Maf

↑この状態は「抵抗トルク」と「発揮トルク」が釣り合っている状態で、シーソーのバランスがとれている状態です。この式から、モーメントアームが長い方が、小さな力で大きなトルクを発揮できることが分かります。

★例題★
「抗力Frが20kg、抗力のモーメントアームMrfが10cm、筋力のモーメントアームMaf20cmの場合、釣り合いを取るのに必要な筋力Faの値を求めよ」

                 Fr×MrfFa×Maf

に当てはめてみると

                 20kg×10cm=Fa×20cm

                     Fa
=10kg

となりす。モーメントアームが2倍になれば、半分の力でバランスがとれるわけです。
中学生(小学生?)レベルの算数ですね。

ピンチグリップマシンなどは、この仕組みをそのまま使っているトレーニング器具で、ウエイト(抗力)を乗せる側のモーメントアーム(抗力のモーメントアーム)が長いので、軽いプレートを持ち上げるのにも大きな筋力を必要とします。

とりあえず、基本事項を書いてみました。
これからは、トレーニングをバイオメカニクス的に考察して、実際のトレーニングに役立つようにしていければと考えています。(2007.3.10)

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