ライイング・トライセプス・エクステンションのバイオメカニクス
基本のページで書いたことを、実際のトレーニングに当てはめて考えてみようと思います。

ここではライイング・トライセプス・エクステンションを考察してみます。

まずこの位置ですが





仮に

・30Kgのウエイトでエクステンションしたとします。(抗力Fr)
・肘関節の回転中心となる位置(支点)から、バーまでの距離(抗力のモーメントアームMrf)を30cm
・肘関節の支点から、三頭筋の尺骨付着部までの距離(筋力のモーメントアームMaf)を5cm

とした場合(実際の数値ではありません)

Fr×MrfFa×Maf

に数字を当てはめてみると(分からない人はココを見てね)

30kg×30cm=Fa×5cm

Fa=180kg


となります。

すなわち、30lgのエクステンションでこの状態を保つには、三頭筋で180kgの力を発揮する必要があるということです。あくまで、この数値は仮定ですが、エクステンションのボトムの位置では、軽い重量であっても三頭筋(および三頭筋の尺骨付着部)に大きな力がかかることは分かります。

このことはワンハンド・ダンベル・フレンチプレスにも当てはめることが出来ます。

これらの種目に共通して言えることは、抗力のモーメントアームに比べ、筋力のモーメントアームが短いことです。そういった種目では軽い重量であっても、筋肉に大きな力を必要とします。当然、腱付着部にも大きな力がかかるわけで、そういったことからも、これら種目が肘の故障を起こしやすいということが、嘘ではないことが分かります。(2007.3.18)

(つづく)

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