【ABMAT アブマット】

今までアブローラー、ドラゴンフラッグ、アブ・ストラップなどやってきましたが、今度は以前から気になってたアブマットを購入。「こんなもんなくてもクランチできるやろ!」と言ってるあなた。確かに出来ます。けど、これがあればさらにキツいクランチができるんです。

トレーニングする際にターゲットとする筋肉の起始部と停止部、関連する関節の可動域を知ることは最低限の知識として必要ですが、腹筋の可動域は意外に盲点です。知ってる方も多いと思いますが、少し書いときます。

腹筋(腹直筋)は胸骨剣状突起、肋骨から始まり恥骨にくっついてる筋肉で、その可動域は前屈(前方)25度、後屈(背中)30度とかなり狭い。屈曲は25度しかない点がミソで、これは床に寝た場合、背中が少し浮き上がるくらいの角度。それ以上起きる時は股関節の屈筋群が働き腹筋への負荷は軽減されているわけです。腹筋してると太ももがダルくなってくる人いませんか?それは体を起こし過ぎて股関節の屈筋に負荷がかかり乳酸が溜まってるからです。

このことを知っていれば、体が完全に起き上がってしまうまで腹筋することが、如何に無駄なことをしているか分かると思います。前屈25度より体を起こせば腹筋の緊張は緩み、休んでいるのと同じ状態になってるわけですから。グイングインと起き上がってる方が「やってる感」があってカッコいいかもしれませんが、トレーニングとしては意味がないので賢明なハードコア・トレーニーの皆さんはやめておきましょう。実際の腹筋の鍛錬はかなり地味なのです。
逆に後屈は30度と前屈以上に背中を反ることができます。この30度を生かす器具がアブマットなんですね。

大きさは30センチ四方くらい。

横から見ると、なだらかな弧を描くような形。表面は合成皮みたいな感じ。体重をかけても形は崩れないので結構固いです。


床でクランチすると前屈はできますが後屈はできません。従って可動域は非常に狭くなります(=可動域25度)。



アブマットを使用すれば、30度フルに後屈できるため腹筋のフルレンジ・モーションが可能となります(=可動域55度)。



上手くやれば丸めたタオルなどで代用できないこともないですが(実際そうしてました)、なかなか調整が難しいし、やってるうちにクチャクチャになってしまうこともあります。その点、専用の器具は使い勝手が違います。高さと湾曲具合が絶妙なんですね。実際、アブマットを使用してクランチすると、体を反らした時(腹筋が伸展されている)に、今までになかった痛みを感じることができます。ダンベル・フライでボトムでストレッチした時に大胸筋に感じる感覚に似てるかもしれません。
なくてもいいけど、あれば便利で個人的には非常に気に入りました。価格は5980円と少々高めですがお薦めです。


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